造園業に就職するために
造園業とは、庭という空間を設計し造っていく仕事です。個人の庭の木を切り揃えることから公園やのテーマパークの築造、街路樹の剪定等その仕事は多岐に渡ります。
一口に庭を造るといっても、空間の中に池があれば給排水設備の工事が、照明を使う場合には電気配線工事が必要になり、舗装工事や大工工事など様々な業務が含まれます。また、樹木や草花などの維持管理も仕事になるため、生き物を相手にするという感覚が必要になります。
造園業に携わるためには、資格を保持することが望ましいとされています。造園業に就くために必要な資格の代表格は、国家資格である造園技能士と造園施工管理技士です。
特に造園技能士は、個人宅の庭作りや手入れだけでなく公園・公共施設や街路樹、公共工事や緑地の構築など様々な条件に必要となる重要な資格です。ただし、これらの資格は実務経験が必要となりますので、アルバイト等で経験を得る必要があります。
国家資格以外には、民間資格である植栽基盤診断士や街路樹剪定士や樹木医などが有利です。民間資格には色々な種類があり、最近よく耳にする森林インストラクターは、専門性の高い管理者のための資格です。
造園業で働くためには、国家資格と民間資格の両方を取ることが最適とされています。様々な資格の中から、自分に必要なものを選んで取得していきましょう。
造園技能士について
造園技能士は、造園業での様々な条件に必要となる国家資格であり、庭園や公園・公共施設や緑化などの造園工事に要する技術や知識をマスターした人に与えられます。資格取得後は、造園業社や建築会社、大型の花屋等での仕事に就くのが一般的です。
造園技能士は1級から3級まであり、その順に上級・中級・初級技能者として区分されます。合格率は2、3級で約40%、1級では約25%です。
受験資格は、3級が1年以上の実務経験者か、職種関連の学科の卒業者もしくは最終学年に在籍中であること、2級の場合、3年以上の実務経験者か3級合格者ならば半年以上の実務経験者、1級の場合、12年以上の実務経験者か2級合格者であれば5年以上の実務経験者となっています。
尚、1級と2級は、学科関連の学校の卒業者であれば実務経験の年数が短縮されます。試験内容は、施工法・材料等から出題される学科試験と、造園工事作業の実技試験の2部構成です。
造園技能士は、受験資格に実務経験が含まれることに加え試験に実技があることから、造園関連会社でアルバイトとして働き実務経験を積みながら取得する方法が一般的です。これは、専門学校に通いながらでも、通信講座や問題集などの参考書等を使い独学で勉強する場合でも同じです。
尚、各都道府県の造園組合連合会が主催する講習会は、資格取得のために非常に有益です。ホームページなどで定期的にチェックし参加することをお薦めします。
造園施工管理技士について
造園施工管理技士は、公共施設やテーマパークや緑地などの造園工事の施工計画や設計を行う技術者に与えられる国家資格です。その業務には、現場や作業の安全管理、工程管理、資材の安全・品質管理なども含まれています。
同じ国家資格である造園技能士が、樹木の植え付けや石組みなど実際の造園工事に必要とされる技能であるのに対し、造園施工管理技士は管理技術者の意味合いが強く、造園工事の責任者として高いスキルが求められます。
造園施工管理技士は1級と2級に分かれており、学歴により受験資格となる実務経験が設定され、大学でも土木工学等の指定学科とそれ以外の卒業者、短大卒・高卒でも違ってきます。試験内容は、土木工学や施工管理法等から出題される学科試験と、施工管理法についての実地試験になります。
やはり受験資格に実務経験が含まれることから、造園関連会社等でアルバイトをし実務経験を積みながら試験を受けるやり方が一般的です。学科試験に関しては、資格取得のための専門の学校に通うのも効率的ですが、通信講座を受講したり問題集を解いたりすることで十分勉強が可能です。特に、過去問題集は資格取得には欠かせませんので、徹底的にやるようにしましょう。実地試験に関しても同様です。
造園施工管理技士の資格を取得すると、建設会社や土木関連会社で営業所の主任技術者等の職に就くなど、造園技術のプロとして働くことができるようになるのです。
民間資格の取得
造園業に就くためには、国家資格に加え民間資格も取得すると有利です。造園業に役立つ民間資格には、植栽基盤診断士、街路樹剪定士、樹木医などがあります。
植栽基盤診断士と街路樹剪定士は、(社)日本造園建設業協会の認定資格です。植栽基盤診断士は、植栽地の土を調査・診断し、改良していくための総合的な知識を有する技術者です。また街路樹剪定士は、樹木の生態などの深い知識と剪定に関する技能を併せ持ったスペシャリストに与えられます。
植栽基盤診断士の受験資格は、植栽基盤診断士補修了者であることに加え、1級造園施工管理技士取得後5年の実務経験・1級造園技能士取得後6年の実務経験・15年以上の実務経験者のいずれかが条件です。街路樹剪定士は、造園技能士2級以上か樹木剪定の経験7年以上が条件です。樹木剪定士は、事前に研修会が開催されますので参加しておくと良いでしょう。
樹木医は、(財)日本緑化センターの認定資格であり、文字通り樹木のドクターのことをいいます。樹木の診断や治療の実務経験が7年以上であることが応募条件であり、専門性の高い資格です。資格取得後は造園会社や農林業界への就職が多く、自然保護分野での活躍も目立っています。
尚、日本緑化センターでは、それ以外にも「樹木と緑化の総合技術講座」等の講習会を積極的に行なっています。こういったセミナーに参加し、造園業に関する知識を深めることも大切だといえるでしょう。
造園業に関する求人情報
造園業に関する求人は、造園会社などの求人先から直接出されることが一般的です。また、民間資格の取得を目的とした通信講座やスクールでは、提携企業で扱っている求人を優先的に紹介してくれます。
それ以外には、人材紹介会社や再就職支援会社のサイトで求人を見つけることができます。
例えば、人材紹介会社大手の株式会社パソナキャリアでは、5000件以上の求人が業界ごとに分類されており、また社名やキーワードによって詳しい検索が可能になっています。現在、造園業で検索をかけると、施工管理に関する求人がいくつかピックアップされます。応募資格にはいずれも造園施工管理技術士優遇となっており、こういった求人を利用するには、資格を取得していることが大きなメリットになるといえるでしょう。
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